Pacific Coast Highway (PCH) をゆっくり北上している。今回のようにたっぷり時間をとってドライブするのは初めてだ。さすがに美しい!砂漠のような陽光とひんやりした風が何とも心地よい。
Driving north on PCH. The strong rays of the sun and the cool sea breeze are something very special in California. サンセット通り が海に出たところにあるレストランで久しぶりにブイヤベースを食べた。海の香りが口いっぱいに広がって感激。サンタモニカの海は相変わらず明るく美しいが、ロスは人口が増えすぎだ。
I had a big lunch at a restaurant on Santa Monica Beach. 砂漠地帯の撮影の最終日はMojave 砂漠を南下するルートを選んだ。愉快な形のジョシュアツリーの林道を通り抜けながら、灼熱の荒野を走る。太陽が西に傾くころ、今回はこれで砂漠とはお別れかとちょっとセンチメンタルな気持ちになっていたら、突如目の前に大きな砂丘が現れた。こんなに高さのある砂丘は今まで見たことがない。カメラザックを背負いながら40度を越える熱風のなかを歩いたら、ピカソ の鳩が待っていた。
I met Picasso's Pigeon in Mojave Wilderness on the last day of the desert shooting. Bryce Canyon の次は Zion を訪れた。Zionでは巨大な岩山のパワーがあまりにも強く、自分の気持ちを写真に注入する隙間を見つけられなくなった。まだまだ修行が足りないようだ。計画にはなかったが、日没寸前にNevada州に入り Valley of Fire を通り抜けることができたのは幸運だった。
After Bryce, visited Zion National Park for the 3rd time. Taking good shots in Zion is extremely difficult for me since the power of the rock mountains is so strong that I cannot find any space for my mind to get in. I was lucky that I could enter Valley of Fire State Park, Nevada, just before sunset. ピンク色の岩肌が美しいので、この雰囲気をモノクロで表現するのは難しい気がする・・・
Bryce Canyonでの撮影は兎に角体力がいる。標高が高く(2700m)空気が薄いので、谷に降りると帰りの登りはきつい。 Bryce Canyon may be difficult to express in monochrome since the color is dominant... 一昨日はエルパソを早朝に発ってユタ州のソルトレークへ移動。空港で車をピックアップして即南下。ユタ州の南部からアリゾナ州にかけては Grand Staircase といわれる地層の切れ目があちこちに露出していて美しい。この壮大なスケールの大地に囲まれていると、自分がホコリほどの小さな存在だと感じる。今日は Bryce Canyon にいる。
Moved from New Mexico to Utah. Driving through Grand Staircase - Escalante was unforgettable. Now staying in Bryce Canyon. 夏のホワイトサンズは「熱い!」 今日は早朝から昼まで撮影していたが、乾燥した灼熱に命の危険を感じて退散。しかし、何と魅力的な場所だろう。
It's EXTREMELY hot in White Sands. I love this dry, hot land! サンタフェから2時間ほど北上したリオグランデ渓谷は前々から興味があったので、撮影の慣らし運転に行って見た。夕方の光が最も美しいので、暗くなるまで撮影して、サンタフェに帰着したのが10時過ぎになった。これで撮影のエンジンがかかった。独立記念日の昨日はサンタフェからホワイトサンズに移動。広大で美しい空と大地に囲まれてゆっくりドライブした6時間は至福の時間だった。ライフワークとして砂漠地帯の写真を撮り続けているのは、このような経験をすることがその原点にあるように思える。
My shooting engine got started after a day-long trip to Rio Grande del Norte near Taos, NM. Now I am in White Sands to shoot the dunes. Today, my summer trip began in Santa Fe, New Mexico. I will begin shooting photographs when my body gets used to the dry desert climate.
夏の撮影旅行の初日はサンタフェ(ニューメキシコ州)で始まった。砂漠のオアシスのようなこの小さな街はとても美しい。時差と砂漠気候に慣れたら撮影をスタートする。 昨日6月20日はストロベリームーン(6月の満月)と夏至が重なった。
珍しいことで、前回は1967年だったそうだ(写真は作者不明ウエブ画像を拝借)。 偶然にも、ちょうどその日は僕の誕生日でもあった。 歳のことは普段あまり気にしていないが、お友達が送ってくださった沢山の誕生祝いのメッセージやメールを読んでいたら、70歳の大台に乗った実感がじわじわと沸いてきた。 3月と5月に連続して開催した個展を通じてよくわかったのは、ここ数年間の作品は懐古色が強くなってきていたということ。有難いことに、個展が終わってゆっくり休んだら、体も気力も元気になってきた。前進あるのみ。70歳になった心境は、また新しいスタートラインに立っているという感覚。 Strawberry moon coincided with Summer Solstice this year for first time since 1967. June 20th was my birthday. I am happy to be 70. I am now standing at a new starting line. 伊豆高原アートフェスティバルも無事終了し、疲れを休めていたらもう6月。梅雨に入る前の夏の爽やかな陽気に、庭の花々が一斉に咲きだした。
7月初旬に出かける撮影旅行の計画がほぼ固まった。いつもの事ながら、ルート選びにはかなり迷った。今回はサンタフェを起点として南下。メキシコとの国境沿いにアリゾナを経由してカリフォルニアへ向かうルート。3年ほど前にシアトルからサンタフェへ向かった旅とほぼ逆向のルートだが、時間に余裕をもって撮影したいので、今度はサンフランシスコが終点だ。 Before the rainy season starts, the flowers began to bloom all at once. I just finished making the plan for my shooting trip to USA next month. I will take the southern border route starting from Santa Fe, New Mexico to San Francisco, California through Arizona. 今回の展覧会は連日大盛況。閉館するまでほとんど一日中立ちづくめでお客様と話している。忙しくて、記録写真を撮ったり、ブログに様子を掲載する余裕がないが、沢山のお客様に作品を見ていただけるのは本当に嬉しい。いよいよ明日(22日)日曜日が最終日。今日も伊豆高原はすばらしい初夏の陽気だ。
Tomorrow will be the last day of my exhibition. 今回の展示は、3月のさんしんギャラリーと同じく点数を絞り、ゆったりしたレイアウトを心がけた。その結果、お客様にはいつもよりゆっくり作品を鑑賞していただけていると感じる。また、40年前、20年前の作品は比較的脱力系で情緒的、最近のものは表現の強い哲学的なものが多いので、見終わったあとのお客様の反応が興味深い。
帰りがけに、「来て良かった」と小さな声でひとりごとを言うお客様がいるのは何よりも嬉しい。 I am happy to hear some visitors talking to themselves "I enjoyed the show", just before they leave. 昨晩、風雨が台風のように吹き荒れたあと、今朝は初夏の陽射で素晴らしい一日が始まった。
毎年お越しになる方、会期中にお友達を連れて何度もいらしてくださる方、写真を始めたばかりの若い方など、沢山の熱心なお客様方と今日は一日中会話した。頭が少し疲れたので、夕方、運動がてら海を見にでかけた。波のうねりが美しい一日の終わりを運んできた。 A stormy weather had gone last night, and a summer-like beautiful day started this morning. I went to see the ocean at sunset after talking with many visitors all day long. It was a beautiful end of the day. 今年のアートフェスティバルは初日からお客様の数がかなり多い。
5月の新緑のなか、ゆったりと時間を過ごしていただいているのを見るのはとても嬉しい。 アートフェスティバルの真の価値はこういう時間を過ごすことにあるのだろう。 A large number of visitors has come to the show since the show started three days ago. I am very happy to see them enjoying my artworks as well as the beautiful nature of Izu.
My next solo show will start on Sunday, 5/1, at my studio in Izu, and I am now in the process of finalizing the selection of the works for the show. Since this is a compilation show of my past works, I am getting a good opportunity to learn how my works evolved up to present and think about next step.
5月1日から始まる伊豆高原アートフェスティバル参加展の準備を進めている。3月に三島で催行した個展と共に、今までの作品をまとめるコンピレーション展にしたいと思い、タイトルを「RETROSPECTIVE」とした。3月のものとは内容に変化を持たせたいので今まで試行錯誤していたが、ようやくその骨格が見えてきた。アトリエでの展示とさんしんギャラリーのようなホワイトキューブでの展示と違うのは、この壁面は黒色だからこの作品、この小さなコーナーにはこの作品というように、作品の内容やサイズ選びが展示される空間の形や色にかなり影響されるところだ。その上に個々の作品と作品グループ、そして展示全体を関連づけて、印象やメッセージ性の流れを考えながら展示レイアウトを作り出していく。これは時間がかかり苦労するところだが、クリエイティブなプロセスなのでとても面白い。コンピレーション展は作品群を眺めながら自分の表現が変化してきた道筋を俯瞰できるので、今後の作品づくりの参考になる。今回の展覧会も多くの方々に楽しんでいただけるようなものにしたい。 I will be exhibiting a few new prints processed from old negative films.
Since the prints are my current interpretation of the 40 year old images, the whole process makes me feel like going back to the past on my time machine. さんしんギャラリー 善 での展覧会が終って一息ついたら、もう伊豆高原アートフェスティバルが5月1日から始まるから忙しい。今回展示する作品は3月に展示しなかった内容も少し含めてみたいと思い、かなり昔のネガを探していたら、カリフォルニアのヨセミテで40年前(1976年)に撮影したものが出てきた。あまりにも昔のネガなのでフィルムが弱々しく、恐る恐るスキャンしてみたが、結果を見て驚いた。レンズはシャープではないが、諧調性が軟調でとても良い。当時はローライフレックスとゼンザブロニカを使っていたが、ネガの横に遮光版の光線漏れが見られるので、どうもブロニカで撮影したものらしい。あの頃はアンセルアダムスの表現を追いかけていた事を思い出す。今回展示する作品は過去のネガを現在の私が解釈して制作したものなので、画像調整をしているとタイムマシンに乗って時間を戻っていく感じがしてくる。もう一つ選んだ1990年代後半に撮影されたニューヨークのスナップからは、フィルムの粒状性が20年くらいの間に飛躍的に変化したことがよく分かる。ニューヨーク時代はローライフレックス(2眼)を中心に街の撮影していたが、ランドスケープには4x5や8x10の大判カメラもこの頃から使い始めている。デジタルによるモノクロームプリントを真剣に追求し始めたのもこの頃だ。2000年代に入ってサンタフェに移住してからは、大自然のサイズに圧倒されて大判フィルムカメラでの撮影が中心となった。最近はランドスケープには大判フィルムの代わりにデジタルバックを使い始めている。デジタル画像は、フィルムとは異なる現代的な表現ができるということがわかってきて興味深々だ。しかし、こうして昔撮影された画像を眺めてみると、時間をかけて感性が蓄積されたフィルム技術の味も大変心地よい。 今の写真環境は撮影から最終画像づくりまでの時間が短縮され、毎日大量の写真が目の前を流れていく。消費材としての写真づくりが膨らんでいくなかで、作家が一枚のイメージととことん向き合って感性を封じ込めて作り上げる作品は今まで以上に大切なものになってきているのではないだろうか。 My solo show at Sanshin Gallery Zen is now over. It was the most memorable show I have ever experienced among all. I would like to thank you all who came to see the show.
さんしんギャラリー 善での25日間の会期はあっという間に一昨日終了した。 歳を重ねるごとに時が経つのが加速するのは確かだが、今回そう感じるのはお越しいただいた方々との心の交流の密度が高かったおかげだと感じる。 展覧会の開催は作品制作や準備、計画、打ち合わせ、搬入、搬出、そして会期中のお客様との対応など、体力や忍耐力がいることが多い。しかし、今回の展覧会はこの15年間の一つの節目としてまとめた作品の展示だったこともあり、「充実した楽い時間だった」という印象だけが残った。作品づくりと展覧会を繰り返し行っていると、その行為の最も大切な部分が浮き彫りになってくる。それは作家ごとにそれぞれ異なるのかも知れないが、私の場合、自分の感覚(エネルギー)が作品を通じて見ているお客様に伝わって共鳴している実感のように思う。 このすばらしい空間を今回提供し展示を支援してくださった三島信用金庫の関係者の皆様と佐野美術館の関係者の皆様、そして準備段階からギャラリー運営まで毎日お世話になった学芸員の皆様に感謝感謝感謝!質の高い美術展示活動を通じて地域文化に貢献していくというギャラリー設立理念の流れのなかで過ごした貴重な25日間だった。 三島のさんしんギャラリー善は市内にある佐野美術館がすべての運営を任されている。そのため、来訪されるお客様方は美術を日常の生活のなかで楽しんでおられる方々がほとんどで、いろいろお話していると、本質を瞬時に見極める鋭い審美眼を持っていることに驚かされる。しかし、そのような方々でもファインアート・フォトグラフィーを鑑賞した経験はほとんどなく、アートとしての写真を広げる努力がもっともっと必要だということを痛切に感じている。
今回の会期中に毎日のように繰り返される質問とコメントを書き留めておく。
欧米と異なる日本での歴史から、FINE ART PHOTOGRAPHY を「写真」と呼ぶのは美術愛好家や一般の人々に正しい理解を促す阻害要因になっていると感じる。 また、プリント という言葉も一般には「印刷物」と混同されてアートとしての作品を普及させるのに阻害要因になっている。ARTと言う言葉の使い方も混乱を呼んでいるので、少し整理して新しい言葉使いを考えることが必要だと思っている。 Mishima, where my solo exhibition is currently held, is a peaceful and cultural city.
三島というところは他の町にはない不思議な魅力がある。富士山のすそ野から湧き出る水が町の中心部をあちこち流れていて、流れの脇に人々の生活がある。人々の表情は湧水のように穏やかで爽やかそして優しい。裕福な町という印象はないが、文化的な豊かさを感じる。積み上げてきた生活のスタイルや文化を大切にしながらこの町を発展させていこうという人々の配慮を感じる。そして食べ物が美味しい。ここは日本のこれからの町づくりの手本となる大切な要素を持つ町だということが分かってきた。この町(街)で展覧会をさせていただいているのはありがたい。 By showing smaller number of works per wall space, visitors can appreciate each piece of work taking more time. It is nice to see many visitors stay one hour or more to see the whole work.
ファインアート作品はゆったりした展示が個々の作品をじっくり観ていただくのに大切だと感じる。そのあたりが複数の作品でメッセージを伝えるフォトジャーナリズム系の作品とは異なるのだろう。今回の展覧会では1時間以上会場にいる熱心なお客様がかなりいるのは嬉しい。このような広いギャラリー空間はとても貴重だ。 My solo exhibition started with many art enthusiasts coming on the first day and a couple of press interviews. Nice to feel that visitors are enjoying the show.
展覧会初日から美術鑑賞に熱心な皆様にお越しいただき、作品を囲んで会話も弾む。来訪された方に展示を楽しんでいただけるのはアーティストとして何事にも代えがたい。ギャラリー全体が大自然の空間になっていると何人かの方に言われた。 |
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March 2021
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