中央アルプスの駒ケ岳は私の生まれ故郷の山。小学校の頃登った記憶に誘われて、今回この山に登ってみた。今はロープウェーがあるので登山は以前よりずっと楽になったが、私には今回の登山はかなりきつかった。難所の八丁坂を登り切って山小屋に向かう比較的平坦な場所でも空気が薄いので呼吸はハアハア、脈拍数がタッタッタッといつまでたっても下がらない。軽い高山病にかかり、頭痛がして気分が悪い。歩きながら「来るんじゃなかった」と思わずつぶやいた。しかし、山小屋に着いて一休みして外にでたら、この気持ちはすぐに「来て良かった!」に変わった。目の前で行われる雲と光の美しいショーは日没まで続いた。山小屋の朝は早い。朝3時に起きて外へ出たら眼下には月の光に照らされて雲海が静かに眠っていた。朝日が昇ると同時に雲海がザワザワと動き出して地球生命のエンジンが動き始める。太陽と共にある生命活動を見ながら下山する足取りは軽く、高山病は麓に着いたらケロッと治ってしまった。
60年以上前にこの山に登ったことが、今私が大自然をテーマにした作品づくりをしていることに繋がっていると確信した記念すべき経験だった。 I was born and raised in a small village at the foot of this high mountain, Mt. Kisokomagatake, in Japan. |
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